ストロベリーショートケイクス ★★★

ストロベリーショートケイクス
2006 ヴィスタサイズ 127分
DVD
原作■魚喃キリコ　脚本■狗飼恭子
撮影■石井勲　照明■大坂章夫
美術■松本知恵　音楽■虹釜太郎
監督■矢崎仁司

■これは完全に女子向け映画。オーソドックスな映画らしい劇映画を見たい向きは避けたほうがいいだろう。ＤＶＤは異様に音が小さく、ボリュームを相当上げないと台詞が聞き取れないのも困ったことだ。
■しかし、主演の女優陣は皆魅力的。トイレでゲーゲー吐いてばかりの岩瀬塔子などは女子には人気がありそうな痩せっぽちの雰囲気で、男子にはとっては敷居が高く（？）、男子にはやはり中村優子の体当たり演技が魅力だろう。デリヘル嬢のシーンの色っぽさと安藤政信とのデートのシーンでのラフな表情の落差が男心をそそる。中越典子はいろんな意味で、いろんな分野で体当たりしながら、女優としての居場所を確保しようと模索中であることがよく分かる。サラリーマンＮＥＯのファンは必見。
■いわゆる物語映画ではなく、４人の女優達のリアルな息遣いを肌で体感することを目指して制作されたのだろう。その意味では、キャメラの石井勲は柔らかな配光のなかで、若い、といってもそろそろ若さだけでは立ち行かなくなる年代の女たちの姿をリアルに、やさしく描き出す。言い方を変えると、ドラマとしては訴求力が弱く、だからどうしたの？と大人たちには突っ込まれてしまうだろう。そうした視線にも耐え得る脚色が工夫されるべきとも思う。
■製作はアップリンク、エス・エス・エムほか。