■正直なところ、安蘭けいと遠野あすか主演のミュージカル本編はあまり大したことないと思うのだが、フィナーレで星組の生徒たちがカリブ海の魚たちに扮して踊る場面が出色で、なるほど宝塚のスタイルは、本編が不出来でもフィナーレで取り返すことができるのかと感心。HD録画で、フィナーレの部分だけをエンドレスで再生すると脳内物質が出まくります。
■何が凄いといって、単純なメロディを繰り返す楽曲の刷り込みが強烈で、一度聞いたら忘れられない。振り付けも実に単純で、そのまま幼稚園のお遊戯に取り入れられそうなものだが、とにかくそのシンプルさが古典的完成の域に達している。しかも、最後にはサザエさんのエンディングの一節が飛び出すというのは、パクリではなく、完全に確信犯だろう。近頃宝塚の舞台をよく観るのだが、フィナーレの楽曲としても演出としても抜群ではないだろうか。