マジシャンの憂鬱 ★★★

マジシャンの憂鬱 
NHKBS2録画
2007 宝塚月公演 宝塚大劇場 
作・演出■正塚晴彦 作曲・編曲■高橋城、玉麻尚一、太田健
出演■瀬奈じゅん彩乃かなみ、、城咲 あい

■透視能力があるといわれるマジシャンが皇太子妃暗殺の真相を探るよう依頼されるが、透視能力はあくまでマジックで超能力者でもなんでもないので、お役御免になるように、皇太子妃は生きている、と告げるのだが・・・
■「バレンシアの熱い花」とは打って変わって、軽快なメロディと場面展開、そして瀬奈じゅんの肩の力の抜けたコメディ演技、そして安定感ある歌唱力と、安心して楽しめる良作。クライマックスで黒幕を炙り出すところに一芝居工夫があれば傑作になっただろう。
■皇太子妃の侍女のヴェロニカは、いわゆるツンデレでしょうか。瀬奈じゅんが抜群に柔軟な芝居をするので、対する霧矢大夢は真面目一方で、そのコントラストが狙いとはいえ、少々役不足な気もする。瀬奈じゅんなどに比べると、大和悠河はまだまだアイドル的に感じられる。笑顔が可愛い大器なのだが。
■それでも、楽曲にはミュージカルの楽しさが溢れ、墓地での墓暴きや無数の髑髏が散乱するカタコンベといった怪奇な舞台設定で、コメディ演出を試みたあたりも意欲的。

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