激情 ホセとカルメン ★★★

激情 ホセとカルメン
1999年 宝塚宙組公演
作■柴田侑宏 作曲■高橋 城 装置■日比野克彦  演出■謝珠栄
出演■姿月あさと花總まり和央ようか湖月わたる樹里咲穂、陵あきの、大峯麻友、出雲綾

■純朴な青年ドン・ホセが自由奔放な娘カルメンに魅入られたことから起こる惨劇と悲劇を綴るミュージカル。今見ると非常に豪華な配役だが、和央ようか役不足の感じだ。脚本自体は特に優れたものではないが、とにかくカルメンを演じる花總まりが圧巻。”運命の女”を完璧に演じる。歌唱も舞踏も圧倒的で、その強烈な存在感とカリスマ性は、単純に凄い。
■対する姿月あさとも、ぽっと出の田舎青年の純朴さをよく演じている。というか、素がそんな感じなのかもしれない。舞台装置は日比野克彦がデザインし、ギターは専門家を呼んできたらしい。でも、一番大事なのは作曲の外部化だと思うぞ。
■ドラマ的には、増村保造の映画を想起させるところが多く、花總まりはストレートに浅丘ルリ子を連想させるのだが、脚本としては増村の映画に軍配が上がる。

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