東京神田で「MOVIE MAGIC SFX映画物語」を発見

 現在、プライベートで東京に滞在中なのだが、神田古書街よりも中野ブロードウェイのほうが痒いところに手が届く品揃え、しかも全ての店が密集しているので、非常に効率的で、助かる。とりあえず、キネ旬の「河童」や「ACRI」の特集号を入手。映画としては疑問だらけだが、秋山貴彦のSFX,VFXの取り組みは、日本映画の特撮技術史の点からは逃すことができないことに最近気づいたので、キープしておく。
 「シナリオ」に八住利雄の「東京裁判」の脚本が載っているので、これも捕獲。廣澤栄の「東京大空襲」の載ったものもあるのだが、これらは東宝の8・15シリーズとして企画されたが、70年代前半という東宝苦悩の時期だったため、陽の目を見なかった幻の企画だ。といっても、こんな大真面目な、あるいは悲惨な戦争映画の企画が東宝で通るはずもなく、針生宏プロデューサーの趣味の世界という気がする。
 レコミンツでは、ジェフ・ゴルブやテンバ・ムキーゼのCDをセール価格で発見。平均すると1枚500円程度だよ。罰が当たらないか?
 さて、これは神田で入手した「MOVIE MAGIC SFX映画物語」は、映画の特殊技術の歴史を、アメリカだけでなう、イギリス、日本の歴史を含めて記述した大作なのだが、なぜか版を重ねておらず、現在絶版。円谷英二第一次世界大戦の数年前に「空を飛ぶとされるサルのような怪獣」*1を創造したとか、シナリオライターとして映画界に入ったとか、「ゴジラの逆襲」が「ゴジラの復讐」と記されたり、「大魔神」の特殊技術が築地米三郎だったりと、信頼性に対する疑問が沸々と湧き上がり、絶版になるのもむべなるかなという怪しい本だ。原著にも翻訳にも疑問点が山積だよ。
 本当はシネマヴェーラ渋谷の「妄執、異形の人々II」に行きたいのだが、現在上映中の映画はどうでもいいので、若い人に任せておこう。「怪談せむし男」とか「砂の香り」「銭ゲバ」「首」などは気になるのだが、スケジュールが合わない。ちなみに「蛇精の淫」はその昔大井武蔵野館で観てますが、駄作ですよ。牧口雄二の「戦後猟奇犯罪史」は何故か十三東映京都みなみ会館で都合2回も見ているのだが、感動的な傑作です。

*1:エノケン孫悟空」のことか?それにしても1940年の映画だが。

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