しゃべれども しゃべれども ★★★

しゃべれども しゃべれども
2007 ヴィスタサイズ 109分
京都シネマ(SC2)
原作■佐藤多佳子 脚本■奥寺佐渡
撮影■藤澤順一 照明■上田なりゆき
美術■中山慎 音楽■安川午朗
視覚効果■橋本満明
監督■平山秀幸


 二つ目の落語家(国分太一)のもとに集った3人の不器用な男女が落語を学びながら、少しずつ代わってゆく姿を、落語の魅力と現代に息づく江戸情緒をフィーチャーして贈る娯楽映画。平山秀幸の余裕の演出ぶりが、地に足の着いた、落ち着いた愉しみを醸し出す。
 ウェルメイドな娯楽映画で、基本的に何の不満もないのだが、香里奈が綺麗過ぎてリアリティが無いのと、ラストで無理やり恋愛劇に仕立てる浅ましさが瑕疵といえるだろう。このあたりは平山秀幸を責めるのは酷というもので、商売上の要請には抗し得なかったのだろうが、せっかく3人の男女と良い関係を築いたのに、単純な恋愛沙汰に収束させるのは、勿体無い話だ。
 さらに国分太一というキャラクターがまた微妙で、テレビでお馴染みの国分太一と同じ感覚で観ていると、違和感を感じてしまうのだが、現代に生き残った江戸っ子気質という設定(多分)をあらかじめ意識に刷り込んで観れば、その口の悪さやそっけない態度が自然に賞味できるだろう。そうした世話物っぽい情緒は、もっとねっとりと打ち出しても良かったと思うが、若者にはそうした味わいは分からないのだろうな。

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

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