ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
2003 スコープサイズ 91分
DVD
脚本■横谷昌宏、手塚昌明
撮影■関口芳則 照明■望月英樹
美術■瀬下幸治 音楽■大島ミチル
視覚効果スーパーバイザー■泉谷 修 特殊技術■浅田英一
監督■手塚昌明
感想は旧HPのこの記事をご覧あれ。
再見しても、国会議事堂周りのクライマックスはどうみても特撮班が息切れしており、中盤のゴジラ対メカゴジラ戦の重厚なミニチュアワークの意気はどこへやら、とにかくスケジュール内に撮りきらないと、という助監督の焦りがそのまま映像になって表れているようだ。中盤のミニチュアワークは、前作「ゴジラ×メカゴジラ」の菊地雄一と比べると画格のとりかたも重厚だし、ライブアクションの撮り方が上手いのはさすが東宝特撮の正統を継ぐものだ。浅田英一と比較すれば、菊地雄一が東宝特撮ではなく円谷プロ特撮の継承者であることがよくわかるだろう。
ドラマとして締まらないのは、せっかく中尾彬がメカゴジラというゴジラ以上の戦力を有したと豪語する総理大臣を演じながら、この役をアクション映画の悪役にできなかったためだ。せっかく中尾彬が演じているのだから、今回はメカゴジラではなく中尾彬が暴走して悪役に徹してくれないと、メカゴジラの呪われた存在感が浮かび上がってこないし、活劇のカタルシスが弾けないのだ。「ゴジラ×メガギラス」が小気味良い快作に仕上がったのは、伊武雅刀のキャラクターあればこそなのに、総理大臣を設定すると悪役に仕立てられないところに東宝映画の限界というか社風がよく表れている。
と、ここまで書いて気がついたが、過去の感想とまったく同じこと書いてる!ヤバイ、呆けてるよ。