『怪獣大決戦ヤンガリー』

怪獣大決戦ヤンガリ
2001/STトリミング版
(2002/11/11 レンタルV)

感想(旧HPより転載)

 宇宙人によって蘇生された太古の怪獣ヤンガリーは操られるままに街を襲撃するが、人間ロケット部隊の特攻攻撃によってコントロール装置が破壊されて正気に戻る。焦った宇宙人は最終手段として、もう一頭の怪獣サソリゲスを差し向けるのだった。

 アメリカ人俳優を使って、アメリカを舞台として制作された韓国製怪獣映画だが、本編美術装置のセコさはVシネマ以下という代物。役者が下手なのはやむを得ないとして、もう少し本編美術に予算を割り振ればよかったのに。

 一方、特撮はヤンガリーとサソリゲスがフルCGというのは豪華なのだが、人間と絡む合成シーンなど昔ながらの特撮映画定番の画面構成で、マッチムーブはあまり得意ではないらしい。CGの出来自体も中途半端だ。

 クライマックスの怪獣大決戦が最大の見所なのだが、堂々たるミニチュアセットの中にCGの怪獣を填め込むという画面構成は案外これからのゴジラシリーズの行く末を暗示しているのではないかと思われる。

 ミニチュアのビルを豪快に破壊しながら死闘を繰り広げる二大怪獣の姿には心躍るものがあるのだが、交互に貧相な本編シーンがカットインされるのは、完全に逆効果というものだ。

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