『真剣勝負』

基本情報

真剣勝負
1971/CS
(2002/6/30 BS2録画)
原作/吉川英治 脚本/伊藤大輔
撮影/黒田徳三 照明/金子光男
美術/中古 智 音楽/小杉太一郎
監督/内田吐夢

感想(旧HPより転載)

 武者修行の途中に鎖鎌の使い手宍戸梅軒(三国連太郎)の家に立ち寄った宮本武蔵中村錦之助)だが、関ヶ原の戦いの際に妻(沖山秀子)の兄を騙し討ちにした仇と判った梅軒は手下の八人集とともに武蔵を襲撃するが、打ち破られる。さらに卑怯な武蔵は乳飲み子を人質に鎖鎌を封じる作戦に出るや、夫婦間に仲違いが生じてゆき・・・・
 史実に残されていない武蔵の二刀流開眼の真相を時代劇映画の父伊藤大輔が脚本化した異色作で、内田吐夢の遺作であると同時に超低予算時代劇でもあるという孤高の時代劇。
 三十三間堂は書き割りで、梅軒の居宅の外回りと内部が唯一のステージセットという徹底した低予算ぶりが痛々しいし、全くリアリティを無視した舞台的な照明も異様で、いわゆる時代劇らしい時代劇とはいえない。
 むしろ武蔵よりも実質的には梅軒のほうが主役でありながら、ラストには唐突に「殺人剣即活人剣」のテロップが登場し、武蔵が新境地を開く展開にも大いに疑問を感じる。やはり、ラストの無理矢理な急展開には内田吐夢の急逝が影響しているのではないだろうか。
 梅軒の居宅をロケセットで表した場面など、靄にかすんだ情景に黒こげした樹木を配置して、まるで大映京都のような美術設定になっているのが不思議。

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