- 出版社/メーカー: パイオニアLDC
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(2002/5/11 レンタルV)
原作/北村 薫 脚本/村上 修
撮影/藤澤順一 照明/上田なりゆき
美術/中澤克巳 音楽/ミッキー吉野
視覚効果/橋本満明
監督/平山秀幸
交通事故に遭った瞬間1日前の世界に飛ばされた銅版画家(牧瀬里穂)は、しかしその世界には自分以外の人間が存在しないことに気付く。おまけに交通事故に遭った時間になるとまた1日前に戻されてしまうという状況の中で勤めて普段と変わらぬ生活を送ろうと勤めるうち、ある日鳴るはずのない電話のベルが鳴り・・・
かなり早くに完成していたはずだが、何故かワーナーマイカルシネマで1,000円均一での公開という変則的な封切られ方をした不遇な作品だが、予想以上にオーソドックスなファンタジー映画に仕上がっており、確かに小品なのだが、小品佳作として落ち着いてスクリーンで堪能したい種類の映画である。むしろ、ミニシアター系でロングランを狙ったほうがよかったのではないだろうか。
ただ、旬を過ぎた牧瀬里穂が主演というのも、さすがに華がないし、その相手役が中村勘太郎というのも、他にいくらでも瑞々しい、しかも美形の若手男優がいただろうにと惜しまれる。この映画の不幸は主に配役によるところが大きいことは誰の目にも明らかだろう。
そうした不利な条件にもめげず、どの程度原作に忠実なのかは不明だが、がっちりと構築された脚本と平山秀幸の奇を衒わない誠実な演出ぶりがささやかな成功の実を結んだ小さな秀作だ。
- 作者: 北村薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2000/06/28
- メディア: 文庫
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