意外な力演と新解釈!『室内合唱団 日唱による伊福部昭 個展』

伊福部昭の弟子筋にあたる和田薫の指揮で、室内合唱団日唱が伊福部昭の有名曲を演奏します。というか唄います。初めて聴きましたが、なかなかユニークなアプローチで、悪くないですね。オケではなく、エレクトーン演奏というところがさすがに寂しいけど、DISC2の選曲だけで結構泣けますね。

■『鯨神』『反逆児』『ひろしま』これらの楽曲(合唱)が新録音で聴けるなんて!個人的には伊藤大輔の傑作『反逆児』には痺れるなあ。映画も戦後時代劇の代表的傑作なので、もっと広く知られてほしいなあ。『鯨神』はとにかくマニアックなので、名曲かどうかはおくとしても、貴重。

■でも、藤井麻理(ピアノ)と竹蓋彩花(エレクトーン兼編曲)だけで、これだけ演奏の厚みを出せるのは単純に凄い。もちろん不足も感じるけど、編成が小さいとメリットもあって、スピード感とキレの良さでは利がある。オケの編成が大きくなるとどうしても鈍重になりがちなので、伊福部のノリにスピード感は欠かせないから。

■竹蓋彩花は、オーケストラ・トリプティークのメンバーで、伊福部昭芥川也寸志渡辺宙明、冬木透といった日本の作曲家の楽曲を掘り起こし演奏するオーケストラの一員ということなので、ファンが好む肝の部分がよく分かってますね。エレクトーン、凄いな。舐めてました。

■その意味で出色なのは『キングコング対ゴジラ』の「メインタイトル」と「眠れる魔神」で、これは一種の新解釈じゃないかと。おなじみの楽曲なのに、違う曲を聞いているような斬新で野蛮なアレンジ。これは、ちょっとすごい解釈ではないか。あるいは、オリジナルスコアがそうなっていたのか?

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