見どころは梶芽衣子のゴーゴーガール!裕次郎と京都はミスマッチ!の出がらしムードアクション『忘れるものか』

基本情報

忘れるものか ★☆
1968 スコープサイズ 83分 @アマプラ
企画:仲川哲朗 脚本:小川英、蘇武道夫、松尾昭典 撮影:岩佐一泉 照明:藤林甲 美術:横尾嘉良 音楽:嵐野英彦 監督:松尾昭典

感想

■なんだかお話も忘れましたの、出がらしムードアクション。監督の松尾昭典は実はもっとハードな映画が資質にあうらしく、『人間狩り』などというハードな刑事ドラマで真価を発揮したけど、ムードアクションでは意外に冴えない。本作も2時間ドラマ程度の流した撮り方だ。

裕次郎二谷英明のドラマもいろんな映画の焼き直しだし、『赤いハンカチ』の二番煎じ。裕次郎市原悦子が五十数年前の出町柳駅(あまり変わらないなあ)に降り立つのは萌えるけど、東宝から迎えた星由里子と田崎潤の効果も限定的だ。

■特に星由里子はルックとしては非常に綺麗で、ああなるほど沢口靖子にそっくりだなあとか、実は「科捜研の女」につながる東宝ヒロインと京都の因縁に思いを馳せて感慨深いものがあるけど、演技的には浅丘ルリ子の表現力の円熟には及ばないので可哀想。京女と裕次郎の食合せの悪さは如何ともし難い。もっと様式的に撮ればそれなりに耽美な映画にもなりそうなのに、スタッフワークはかなり流れ作業的だ。キャメラの岩佐一泉だって、ドキュメンタリータッチは得意だけど、京都を様式美で切り撮るのは任ではない気がする。

■一方で川口恒カップルになる太田雅子(梶芽衣子)がかわいくて、ゴーゴーバーでゴーゴーガールとして登場して、お立ち台で踊り狂う。このあたり、やりようによっては『怪奇大作戦』の傑作「京都買います」なんだけど、スタッフの意欲が追いつかない。ほぼ同じ頃に撮影してるんだけどね。せっかく京都ロケで撮るんだからもっと耽美で退廃的なお話を工夫すればいいのにね。当時の日活には中島丈博だっていたのに。

■それで何がいいたいかといえば、ゴーゴーガールの梶芽衣子が抜群にキレイで可愛いくて、尊いということ。この映画を観た人は、多分それしか印象に残らないと思うんだな。裕次郎ファンにはがっかりだけど、梶芽衣子ファンなら絶対必見です!

参考

松尾昭典はムードアクションの旗手ですが、意外と冴えない。明らかに江崎実生のほうが優れている。
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
ところがリアリズム路線だとこんなに充実した傑作を撮る。『人間狩り』は忘れられた傑作。
maricozy.hatenablog.jp

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