Lone Survivor
2014 スコープサイズ 121分
DVD
■アフガンに降下してタリバンを掃討するはずのシールズの精鋭たちが交信不能なまま不慣れな山岳地帯でタリバンに追いまくられ、一人ひとりと戦場に散ってゆくさまを愛国者精神旺盛に描いたピーター・バーグの戦争映画。実話に基づくそうだが、お話の構成は典型的な戦争アクション映画で、非常にシンプルな構成である。
■ピーター・バーグのことゆえ戦闘場面の見せ方も無理が無いし、兵士たちの心情を丁寧に拾い上げてゆく手際も立派なもので安心して観ていられる。ただ、お話的には『エネミー・ライン』『ティアーズ・オブ・ザ・サン』とか似たお話は一杯あるので、新味は無い。
■ただ、殺人的な訓練をパスしてきた若い精鋭たちがいわば作戦上の見込み違いで命を落としてゆく様子だけを見せて、その背後にあるものを見せようとしないのは残念だ。前途有為の屈強な男たちを、ほとんど無駄に死なせてしまうことの是非をこそ問わなければドラマではないだろう。その意味で戦争映画ではなく、戦闘映画であろう。『ブラックホーク・ダウン』のような批評性は感じられないなあ。