El cuerpo
2012 スコープサイズ 111分
DVD
■スペイン映画界はホラー映画でも傑作を多く生み出しているが、本作はサスペンスタッチのスリラー。殺したはずの妻の死体が消失、遺体隠避の取調べを受ける夫の、悪人とはいえ、散々いたぶられる、踏んだりけったりの8時間を描く。
■殺したはずの妻は生きているのでは?あるいは亡霊の仕業か?といろいろと怪奇風味とサスペンスを盛り込むのだが、正直、ちょっと冗長かなと思っていると、終幕に鮮やかなどんでん返しが用意され、思いっきり意表をついて、そのまま終わってしまうという、なかなかの秀作。監督、脚本のオリオル・パウロという人は要注目だろう。
■主演のウーゴ・シルバは確かに悪い奴なんだけど、観ていて気の毒になってくるから不思議。トイレに流そうと思った書類が流れずに、困った挙句・・・の場面はもう絶句。ホントに可愛そうだから勘弁してあげて、という気になってくるよね。いかにも何か企んでいる風の年上の妻に散々いたぶられてびくびくする日常描写にもう不憫さ満開。事件の取調べが始まると、これまた思わぬ謀略に巻き込まれたことを知って錯乱しながらも、愛人だけは救ってくれと懇願するのに・・・ああ、不憫すぎる彼。