緊急指令10−4・10−10

緊急指令10―4・10―10 DVD―BOX1

緊急指令10―4・10―10 DVD―BOX1

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • 発売日: 2013/07/12
  • メディア: DVD
■ずっと昔からの念願だった緊急指令10−4・10ー10をDVDで全部観ることができた。もうそれだけでかなり幸福な気分なのだが、備忘的にいくつか書き記しておきたい。
■このシリーズの特色は、とにかくどうした円谷プロ?という感じの特撮テイストのチープさにある。合成技術に宮重道久をクレジットしているのに、合成カットが非常に少ないし、クオリティ的に残念なカットも少なくない。ミニチュア特撮もたまにあり、『地底怪獣アルフォン』の回などはそれなりに特撮スタッフを編成した模様で、ミニチュア特撮にしても、キグルミにしても円谷プロの面目を保つ品質であるものの、他の回では目を疑う酷いミニチュア特撮が目に付く。
■どう考えても特撮に不慣れな本編スタッフがちょっと手すきの時に撮りましたという風情がありありで、当時の円谷プロのクオリティコントロールはどうなっていたのか、非常に不思議だ。おまけにシリーズ後半はどうしたことかSFでも怪奇でも特撮でもない人情物のエピソードが頻繁に登場し、円谷プロよどこへ行く?という謎の展開。ほぼ一人で脚本を書いた田代淳二の志向なのか、スポンサー筋の意向なのか、とにかく円谷プロ的には不満だったろうと想像するが、真相やいかに。
■しかもシリーズ初期は渡辺岳夫の劇伴の作曲が間に合っておらず、異様に曲数が少ないなかでやりくりしている様子があからさまで、締りが無いのだが、中盤からは名調子のナベタケ節が炸裂し、非常に良い感じになってくる。
■中盤のエピソードとしては『アマゾンの吸血鬼』『死を呼ぶバイオリン』『妖怪・どろ人間』『海獣半魚人の反逆』『原始人バラバ』『妖怪ねずみ地獄』といった傑作、秀作が登場して、円谷プロテイストを何とか保っている。特に『死を呼ぶバイオリン』は、あまり語られれることの少ない話だと思うが、今回強烈な印象を残した佳作。海野十三の怪奇探偵小説を髣髴させる奇想が凄い。密室ミステリーの怪奇幻想的解決の新機軸と言って過言ではない。(続く)