RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ ★★★

映画 RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ オリジナル・サウンドトラックRAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ
2011 スコープサイズ 123分
ユナイテッドシネマ大津(SC2)
脚本■小林弘利ブラジリィー・アン・山田
撮影■柳田裕男 照明■田辺浩
美術■松尾文子、郡司英雄 音楽■ニック・ウッド
監督■蔵方政俊

■定年間際の地方路線の電車運転手が、妻が看護士として働きに出たいと言い出したのに反対すると、妻は家を出てしまい・・・
■という、小さな小さなテレビのホームドラマ的なお話を、現地ロケを生かして丁寧に撮った映画で、当然昔の松竹映画などを想起するのだが、作劇としてはそこまで濃密ではない。三浦友和余貴美子も好演するし、夫が妻の仕事を認める嵐の夜のクライマックスなども非常に心地よい演出で安心して観ていられるのだが、欲を言えば、もう少し要所要所に笑いが欲しい。せっかく中川家礼二が出ているのに、案外真面目な役で、のんびりとした笑いを誘うようにはなっているのだが、はじける所が欲しい。
■基本的にホームドラマだが、小池栄子演じる娘とのドラマは薄いし、運転手の新人のエピソードも、あまり完成度は高くないので、それこそ山田洋次にでも参加してもらえばという気もする。山田洋次なら、地方都市のシビアな現実を小さく盛り込んだりしたに違いない。
■それにしても実年齢59歳という三浦友和の若さには驚く。白髪のおかげで見た目はおじさんだが、声の若さは40台では?それに比べて、仁科亜季子はリアルな熟年女子で、友和と並ぶと気の毒な気がしたよ。
■企画、制作は阿部秀司事務所とROBOT。

© 1998-2024 まり☆こうじ