頼家の死
2009年 新国立劇場
NHKhi プレミアムシアター
作■真山青果 美術■織田音也、中嶋正留 演出■真山美保
出演■中村富十郎、中村吉右衛門、中村歌六、中村歌昇、中村種太郎、中村芝雀、市川高麗蔵、澤村由次郎
■時代劇の醍醐味を詰め込んだ新歌舞伎の傑作。政子の「家は末代、人は一世じゃ」のキメ台詞には頼家だけでなく観客も打ちのめされる。それを言われては、しかも母親に言われてしまっては、もう何も言い返す言葉は残っていないだろう。なんと残酷な台詞であることか。
■中村吉右衛門の頼家はさすがに年齢的に無理があり、頼家の青春挫折物語としての局面が十分な説得力をもって胸に迫らない。イメージ的には市川雷蔵の「忠直卿行状記」などそ想起してしまうのだが。一方、重保を演じた中村歌昇が充実した演技で、源家に対する忠義の非情さと悲劇性を力強く訴える。最後の頼家に対する悲壮な訴えは肺腑をえぐるものがある。
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