オーディオ事始(1)

■近頃、テレビを見ていても、汚い効果音や荒っぽいBGMが洪水のように重ねあわされていて、耳障りなことこの上ないので、なんとなくオーディオ関係の機器を更新して、いい音で聞きたいと感じるようになっていた。
■近頃といっても、これは実は昨年末頃のことで、その後、色々と電気屋を物色して、ミニコンポを探していたが、京都駅に隣接したビックカメラの高級オーディオコーナーの視聴室に入ってみると、静かなジャズが大らかな鳴り方で、心地よく響いており、これまで聞いてきたミニコンポの音とは別世界の気持ちよさを実感してしまった。
■それまでは、BOSEのフロントサラウンドだとか、YAMAHAの壁に音のビームを反射させる5.1chシステムなどを思い描いていたのだが、そんな思いはすっかり消し飛んで、本格オーディオの世界に足を突っ込むことに。
■とはいえ、高級オーディオの世界は魔窟であり、特に大きな家に住んでいるわけでも、オーディオルームがあるわけでもなく、資金的に潤沢なわけもなく、おのずから高級オーディオ”入門”篇という位置づけにならざるをえない。
■そこで、京都駅のビックカメラ、梅田のヨドバシカメラ日本橋ジョーシン一番館、寺町のタニヤマ無線、西院のジョーシン京都一番館、秋葉原ヨドバシカメラなどを暇に任せてうろうろと、かなり長期にわたって散策しつつ収集したカタログと、店頭での試聴の結果、アンプ部は、OKNKYOのCR-D1に決定した。
■この機種は高級オーディオからは外れるのだろうが、ネットでの評判が良かったし、小型の所謂チューナーアンプにしてはパワーがあり、かなりの大型スピーカーも余裕で鳴らせるデジタルアンプというところに興味を惹かれた。高級オーディオの世界だと、アンプ、チューナー、CDプレーヤーと個別に揃えねばならず、資金面もあるが、まずは置き場所に困るのだ。ただでさえ、DVDレコーダー、ビデオデッキ、LPプレーヤーと、テレビ周辺にはAV機器が蝟集しているので、これ以上場所をとられるのは現実的に不可能だ。
■ただ、CR-D1を店頭で試聴してみると、ONKYOのD-112Eなどのスピーカーと組み合わせた場合、女性ボーカルなどでは音が前面に迫力をもって飛び出してくる点は好印象なのだが、一方で高音域がキンキンと耳に突き刺さる特徴があり、ONKYOを避けてスピーカー選びに慎重を期すことを心に決めた。多分、アンプもスピーカーも音質のチューニングが若者向けなのだ。ただ、INTECシリーズのD-312Eくらいになると、音のスケールが大きく朗々とした鳴り方になるので、これはこれで良かったのだが、価格面でパス。
■そこで、試聴の途中で、艶のある滑らかな音像が心地よく、今回の音探しのひとつの目標として見なすようになった小型スピーカーが急浮上してくることになったのだが・・・

© 1998-2024 まり☆こうじ