ミニコンポ試聴の記(3)

■寝室でまったりと音楽を聞く小型コンポを求めて、さすらいの旅は続く。最近、気になっているのは以下の逸品たちだ。
DENON RCD-CX1
は、DENONにしては押し出しの控えめで、精彩ながら滑らかで、かすかに艶のある音色で、大人にはぴったり。でも、SC-CX101と組み合わせると、ヴァイオリンの高音などはかなり突き刺す感じで、もっとまったりして欲しい感じだ。SC-CX101というスピーカーは現在使用中で、当初もっと低音寄りだと思ったが、他のスピーカーと比較すると案外高音がよく出ていて、キンキンした高音も平気で出してしまうところがある。このCDチューナーは、悪くないのだが、もう少し太い音の鳴るアンプが欲しい。せっかくのデジタルアンプなので、デジタル機器とのデジタル接続にも配慮が欲しいところだ。
ラックスマン ネオクラシコ
今回の試聴で音質のレファレンスとしたのが、このセット。真空管プリメインアンプSQ-N100とCDプレーヤーD-N100、スピーカーシステムS-N100の組み合わせで、音質もサイズも申し分ないが、いかんせん高価すぎるので、パス。将来的にはこれくらいのものが欲しい。ヴァイオリンの高音はよく伸びるものの、辛うじて耳障りではなく、音の太さと艶も適度に乗って、楽器のリアリティが感じられる。やはりiPodとのデジタル接続はできないわけだが、まあ真空管だったらそれも仕方ないと諦めもつく。
■TEAC Reference380
今回の新発見は、TEACが欧州向けに発売していたReferenceシリーズの日本展開版。どちらかといえば、メリハリ元気系の音だと思うが、ONKYOほどキンキンに声を張らず、KenwoodのKシリーズほど紗をかけてディフューズしていない素直な音がするので、かなり好印象。価格設定からいっても若者向けではない。レシーバーアンプのAG-H380はiPodとデジタル接続ができるという優れものだが、未だに店頭で姿を見かけないのは、生産が遅れているのだろうか。旧シリーズのA-H380は試聴できたので、上記の感想はその際のもの。AG-H38はAG-H38とは大分内部構成が変わっているだろうが、音色の傾向は踏襲しているはず。基本的にわりと太くてクリアな抜けのいい音を出すので、安心感がある。KenwoodのKシリーズもヴァイオリンなど、なかなか角の取れた柔らかい音に脚色して鳴らしてくれるが、薄い膜の向うで音が鳴っているようで、聞いていて隔靴掻痒な気分になってくる。脚色が過ぎると思うのだ。

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