テレビドラマ雑感=2008/2/11

■今期のドラマはろくなものがないが、「未来講師めぐる」はなかなか楽しい。特に今回のエピソードはちょっと「うちの子にかぎって」のようで、感動的だった。山本浩司がチョイ役で贅沢(?)な配役だ。
■いっぽう、NHK大阪が松竹京都撮影所で撮影し、西岡善信が美術監修を務める「鞍馬天狗」(脚本・川上英幸、演出・田中正)はNHKの時代劇らしく丁寧な美術、照明、撮影で、じっくり観ていられる。音響設計にも演出意図が明瞭で、こうした点は東映のテレビ時代劇を完全に凌ぐ。というか、美術も照明も撮影もNHKの時代劇は何時の頃からか軽く映画レベルなのだが。(東映京都ももっと頑張れ)
■今回も、台詞はちゃんと中央に定位しているが、その背景の物音や効果音が自然なサラウンド感や移動感を生み出しており、感心する。派手な音使いはしないが、少ない音数を効果的に配置してドラマに対する集中力を誘い出している。サラウンドや5.1chといった音の臨場感は、本来こうした形で駆使されるべきだろう。このドラマは特にサラウンドや5.1chといった仕様ではないと思うが、HDDレコーダーの擬似サラウンド機構を通して観ると、音響設計の鮮やかさが確認できる。
緒形直人にすっかり貫禄が身についているのにも驚かされた。いつまでも緒形拳の息子ではないのだ。川上英幸がいつまでもウルトラマンの脚本家ではないのと同様にね。

© 1998-2024 まり☆こうじ