カリートの道 ★★★

CARLITO'S WAY
1993 スコープサイズ 145分
DVD


 30年の刑を喰らっていたスペイン系のやくざ(アル・パチーノ)は親友の弁護士(ショーン・ペン)のおかげで5年の服役で保釈され、足を洗うことを決意すると、レンタカー屋の権利を買う資金を貯めるために馴染みの街に舞い戻るが、親類の小僧はヤバイ仕事に巻き込まれるわ、裏社会に交わりすぎた弁護士はイタリアマフィアの親分の脱獄を請け負ってくるわ、とトラブル続きで・・・
 「インソムニア」のアル・パチーノが案外良かったので借りてきた旧作だが、頭の悪い登場人物ばかりなので驚いた。デビッド・コープらしい大味な脚本というべきか。
 監督はブライアン・デ・パルマで、クライマックスには駅構内のエスカレータを舞台としたサスペンス含みの大銃撃戦が展開されるのだが、その構築も「子供のかくれんぼか!」と全観客が突っ込むこと確実という子供っぽいもので、ますますやくざたちがバカっぽく見えてしまう。まあ、決して退屈な映画ではないし、古風なフィルム・ノワールを狙った演出と、特にパトリック・ドイルの劇伴が流麗でノワールかつ甘美な雰囲気の醸成に成功している点は悪くないのだが、東映の数々のやくざ映画のレベルに比較すると大甘と言うしかない。
 ショーン・ペンが髪型をかえて怪演しており、その意欲には敬意を表するものの、脚本に描き込まれた人間像があまりに浅いので、まあ彼のキャリアからすれば軽い冗談程度の役に過ぎないだろう。

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