妻として女として ★★★☆

妻として女として
1961 スコープサイズ
BS2録画

脚本■井手俊郎松山善三
撮影■安本 淳 照明■石井長四郎
美術■中古 智 音楽■斎藤一郎
特殊技術■東宝特殊技術部
監督■成瀬巳喜男


 銀座のバーを任せられているヒロイン(高峰秀子)は大学教授(森雅之)の愛人であったが、いつまでも日陰の存在であることに耐えられず、正妻(淡島千景)に手切れ金かバーの権利を渡すように要求する・・・

 高峰秀子森雅之淡島千景を相手に、上品ながら恐ろしい形相で自身の寄る辺ない不安定な境遇を切々と訴える成瀬巳喜男の異色作。

 正妻の育てる二人の子供がどちらも高峰秀子の生んだ子供だとわかってゆく後半が怖いのだが、映画の結末自体は案外呆気ないところに着地してしまう。むしろ人間観察のシビアさでは「娘・妻・母 」の方が勝るだろう。

 ただ、クライマックスの高峰、淡島、森の三者が三竦みの様相を呈する議論の場面など圧巻といえるカッティングは成瀬の独壇場。いつに無くコントラストの強い影の多い画調となっているのも、60年代の時代というものだろうか。相変わらず森雅之がなぜか女にもてるが徹底的に優柔不断でありながらあくまで上品なインテリの二枚目という役柄を演じて他の追随を許さない説得力を見せる。

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