ファンタスティック・フォー 超能力ユニット★★★

ファンタスティック・フォー 超能力ユニット(FANTASTIC FOUR)
2005 スコープサイズ
TOHOシネマズ二条(SC7)


宇宙嵐の観測に向かった5人の科学者たちは、嵐の波動を浴びて、ミュータントと化す。4人はその力の使い方に気づくが、残りの1人で計画の出資者は邪な思惑をめぐらせていた・・・

 「ミスター・インクレディブル」とアイディア的にかなり被っているアメコミの映画化で、昨今のアメコミの映画化作品に比べても、明らかに漫画寄りの作品となっている。

 全体にVFXの質は低めで、特に宇宙嵐の場面など安手のビデオエフェクトのような平板な質感が著しく興を殺ぐ。

 一番の見所は中盤、4人が自分の特殊能力が何のために授けられたものかを悟ることになる橋での事故シーンで、VFXとしてもドラマ的にも最高の見せ場となっている。実際のトレーラーを破壊した特殊効果シーンは、さすがに実物の質感と重量感が圧倒的な説得力を持っている。

 残念ながら、彼らのスポンサーだった男が悪役として出現してくる後半部分がドラマとして弱く、悪役のキャラクターの弱さに引き摺られているのが惜しまれる。クライマックスのほうがスケールが小さいというのは困りものだ。

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