エリジウム ★★

Elysium
2013 スコープサイズ 109分
DVD

■なんとなくやらかした感じの評判は聞いていたのだが、わざわざジョディ―・フォスターを悪役に担ぎ出したのだから、何か魂胆はあるはずだろうと観てみたら。。。本当に底抜け脱線映画だったとは。なんじゃこりゃ。

■それにしても一体何がやりたいのか、何を面白がっているのか、このニール・ブロムカンプという監督の方向性には付いていけない。ロボット工場で被爆した主人公が生き残るために天空都市エリジウムに密航して治療を受けようというお話に、謎のかっこよくもなければ大した役にもたたない強化服を投入、真の敵がジョディ―・フォスターでなければ盛り上がりようがないはずなのに、何故か中ボスに簡単に殺されてしまうという謎の展開。せっかくエリジウム乗っ取りのクーデターを画策しているのに、その後の面白くなるはずの展開はほとんどオミット。

■それでいてCGによるメカ描写は非常に洗練されていて、見事な質感なので、VFX鑑賞映画としては確かにレベルが高いのだが、高線量被爆して瀕死のマット・デイモンが徐々に弱っていくどころか段々パワフルになるというバカな展開も、ただただ唖然。ロボット工場でなぜ放射線を照射しているのかも不明だが、それを「照射線」とごまかすやり方も理解できない。どんな病気も怪我もあっという間に完治してしまう謎の装置もほとんどファンタジーだし、何から何まで頓珍漢な映画だ。

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