夫婦
1953 スタンダード
BS2録画
上原謙と杉葉子の夫婦が三国連太郎の下宿に居候したことから軋轢が生まれるが・・・という「めし」に連なる夫婦ものだが、なんといっても杉葉子と上原謙の夫婦という配役に無理がありすぎて大きなマイナス要因になっている。
「めし」と違って、基調はコミカルな描写にあり、女房が三国連太郎に惹かれて腐る上原謙の様子など、深刻な葛藤ではなく、笑いに転化させた演出となっている。また、杉葉子の実家の藤原釜足や小林桂樹、岡田茉莉子らの演出にも共通しており、軽妙な雰囲気を通底させている。
その分、成瀬独特のエロティシズムが希薄で、空間的にも緊密感を欠く結果となっている。