キイハンター備忘録:世界の要人を呪殺せよ!悪魔主義者が跳梁する! #118「踊れ!墓場で幽霊ワルツ」(ネタバレあり)

■1970 脚本:高久進、佐藤肇 撮影:秋野友宏 監督:佐藤肇

■キイハンターは基本的に東西冷戦下、ベトナム戦争が苛烈な時代における東西スパイ合戦が基本テーマで、秘密兵器の開発とか、平和使節団とか、要人暗殺とか、そういったモチーフを盛り込んで、反戦平和の主張を随時押し出しながらアクションを展開するけど、大アクションは千葉真一の担当なので、千葉ちゃんが映画などでいないときは、大川栄子が主人公となることが、意外なほど多かった。当時、そんなに人気あったの?

■しかも、大川栄子はホラー、オカルト、ファンタジー、メルヘン要員で、佐藤肇が撮ることが多かった。本作は、東京タワーの蝋人形館を使って何か拵えろというオーダーで、高久進と佐藤肇が喫茶店でサクッと打ち合わせして決め込んだ(に違いない)お話で、リンカーンやケネディ暗殺もマリリン・モンローの死も、全部悪魔崇拝者の呪殺の結果で、次はニクソン、毛沢東、蒋介石を狙っていたという、気宇壮大なお話。これを、東京タワーでロケして撮る。

■しかも、死んはずなのに蘇った不気味な女、国景子は、悪魔主義者追求委員会のエージェントだっという定番のドンデンもあり、趣味の世界も極まれりのやりたい放題。これもキイハンターのフレームのゆるさのおかげ。でも、『ローズマリーの赤ちゃん』が1968年、シャロン・テイト事件が1969年で、当時、悪魔主義、悪魔崇拝は今よりもっと大きな、ホットなトレンドだったのだ。

■悪魔主義者の面々が、成瀬昌彦、藤木孝、春日章良で、怪しい霊媒が大塚道子という、怪奇趣味で埋め尽くされた濃厚な配役だけで、結構お腹いっぱい。ただ、シリーズも三年目に入ると、これまでの洋風美人路線を一旦解消して、女性ゲストがかなりドメスティックな面々になる。国景子もそうだね。これまでは、嘉手納清美、牧紀子、原良子、真理アンヌ、田村奈巳、松岡きっこといった、外人受けしそうなバタ臭い美人路線をローテーションで配置していたけど、さすがにメンツを一新したのだね。

■しかも、撮影は大映東京でいい仕事をしていた秋野友宏なんだけど、なんで大映辞めたのかなあ?倒産前の人員整理?

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