■当時の先進的な職業婦人として「南進女性」が描かれるのも興味深く、若い独身女子が進んで南方に職を求めたそう。現地工場などの事務職として、タイプライターの需要が大きかったのだ。そして、「ジャワの極楽、ビルマの地獄」と言われたように、あまり大きな戦闘がなく、かつての白人支配層が残していった風習と同様に、召使&昼寝付きの非常にリッチな高原生活を送ったという。まさに成瀬の『浮雲』の世界なのだなあ。
■原著はもっと大昔に出版されたのかと思っていたけど、1991年に発売されたもの。パレンバン降下作戦の露払いとして、石油技師を含む特攻隊が現地に潜入する『パレンバン奇襲作戦』という映画がずっと以前の1963年に公開されているので、あれは目の付け所が良かったね。ほとんど忘れられた映画だけど、石油技師の軍属が主役(丹波哲郎!)という着眼はユニークだった。
