基本情報
仁義なき戦い 完結編 ★★★
1974 スコープサイズ 98分 @DVD
企画:日下部五朗 原作:飯干晃一 脚本:高田宏治 撮影:吉田貞次 照明:中山治雄 美術:鈴木孝俊 音楽:津島利章 監督:深作欣二
感想
■広島抗争は終焉を迎えたが、昭和40年代前半、政治結社に看板をかけかえた天政会(元山守組)のなかで、内部分裂が激化する。やっと広能が出所するが、天生会を解散した武田(小林旭)は引退を迫る。。。
■シリーズ第5作だけど、笠原和夫は前作で完結したつもりなので、脚本は高田宏治に引き継がれた。実際、お話の方も完全に戦後処理モードで、基本的に覇気がない。広能は刑務所で半分世捨て人モードだ。前半は大友(宍戸錠)と市岡(松方弘樹)が弾けまくって、意外に面白いけど、両者が中盤で死んだり逮捕されるので、後半はかなりキツイ。特に松方のノリノリの怪演は見もので、キャラ立ちは申し分ない。一方なんとなく居心地が悪い宍戸錠が割りを食っている気がする。実際のところ、日活と東映では演技メソッドが違うのだろう。
■刑務所内ではもう戦争する時代は終わったご隠居モードを醸し出していた広能が、不在中に舎弟を殺された反動で、出所後に昔の気概を取り戻してゴネだすけど、とにかく戦後のどさくさ時代とは違って、警察組織の牽制が大きく効きはじめて、思うようには弾けられない。この時代になるとみんなすぐに逮捕されるのだ(当たり前だけど)。ホントなら、警察組織の思惑も含めて描き出せば、もっと深みが出るのにね。
■その中で、シリーズの顔とも言えた小心者 槇原(田中邦衛)がついに殺されるし、お調子者 江田(山城新伍)も殺害される。彼らもすっかり老けこんでいて、ひとつの時代の終焉を嫌でも思い知らされる。ーー敗戦からすでに二十数年が経過していたのだ。
