奇兵隊

■脚本・野上龍雄、音楽・山本直純特技監督川北紘一、監督・斎藤武市
奇兵隊 [DVD]
■1989年の年末に2夜にわたってテレビ放映された日本テレビ年末時代劇スペシャル。今見ると、懐かしい顔ぶれで、なかなか楽しい。前編は登場人物の紹介編といった面持ちで、いささか退屈するのだが、後編は下関戦争から二度にわたる長州征伐という戦争の連続で、なかなか盛り上がる。
■そもそも幕末の長州藩の歴史自体あまり知らないので、事件の顛末が単純に興味深い。特に後半は禁門の変で朝敵になってしまった長州藩内で、幕府の征伐軍と戦わなければならない事情と、保守派と革新派の戦争が絡み合って、えらいことになってくる。その中で、主人公の高杉晋作松平健の平板な演技のせいもあって、あまり魅力がないし、四民平等の奇兵隊についてあまり詳しく描かれないのは残念だが、むしろ脇役の桂小五郎中村雅俊)や村田蔵六片岡鶴太郎)が魅力的な人間に描かれている。そうそう、周布政之助津川雅彦)の壮絶な最期も大きな見せ場。久々に派手なスプラッター描写を観たなあ。
■後編では薩摩藩邸での薩長同盟の駆け引きなど大いに劇的な見せ場になっているし、村田蔵六の軍略家としてのエピソードもうまく描かれている。下関戦争や第二次長州征伐の海戦場面を川北紘一が砧の大プールを使って撮っていて、特撮シーンはかなりのボリュームがある。クライマックスは幕府の富士山丸と坂本竜馬の乙丑丸との一騎打ちという大特撮で、富士山丸は爆発炎上する。一方で炎上する小倉城のミニチュアワークはとても東宝特撮とは思えないのだが、あれは本編班で撮ったのかな?