アルプスの若大将 ★★★

アルプスの若大将
1966 スコープサイズ 94分
BS11
脚本■田波靖男
撮影■飯村正 照明■隠田紀一
美術■育野重一 音楽■広瀬健次郎 
監督■古澤憲吾

■シリーズ第7作ですが、これはなかなかの力作。古澤憲吾ならではの景気の良い演出が冴え渡っているし、手持ちキャメラで捉えられた欧州ロケの場面が意外にも秀逸。飯村正が撮ったのか、B班の撮影なのか判然としないが、ウィーンの街角のロケなど、構えた構図では出ない自然な空気感が生まれていて、アート映画のワンシーンのよう。

■さらにクライマックスの苗場でのスキー大会の1カット空撮シーンの圧倒的な迫力に圧倒される。このあたりの演出の押しの強さは古澤憲吾の良い部分が十二分に発揮されたものだろう。冒頭もクライマックスもよく考えるとドキュメンタリータッチの演出が効果を発揮しているのだが、古澤憲吾にそんな素質があるとは思わなかったよ。古澤憲吾の意外な一面だ。

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