劇場版 魔法少女まどかマギカ 始まりの物語 ★★★☆

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語【通常版】 [DVD]
劇場版 魔法少女まどかマギカ 始まりの物語
2012 ヴィスタサイズ 130分
DVD
脚本■虚淵玄
音楽■梶浦由記 総作画監督谷口淳一郎、山村洋貴
異空間設計■劇団イヌカレー ビジュアルエフェクト■酒井基
美術監督■内藤健 監督■宮本幸裕
総監督■新房昭之

魔法少女を謳っているものの、いわゆる魔法少女もののアニメをアメコミ的なダークな解釈と視点でひっくり返す驚愕のアニメ。陰惨で残酷なお話もさることながら、見たこともないアニメ表現のつるべ打ちにひたすら圧倒される。おじさんの知らないところで、こんな美学が花開いていたとは。
■お話は、主人公の中学生まどかが謎の生き物キュウべえに見込まれて魔法少女リクルートされるが、先輩魔法少女マミの辿った運命に衝撃を受けて躊躇するうち、親友のさやかが魔法少女デビューし、魔女狩りを始めるが...というもので、結構SF的な逆転の発想が効いており、意外にも会話劇の比重が大きく、いわゆる旧来のドラマツルギーとは全く異なる作劇がなされている。そこにキャラクター萌えアニメとアートアニメの融合という魔術的な演出が施され、頭のクラクラするようなトリップ感を醸し出す。一体どんなセンスしてるんだ、全く凄い。
■なにしろテレビ版の総集編の全編なので後篇でお話がどう転がっていくかわからないのだが、なんとかの雨と雪とかカラフルとかのゆるふわアニメに辟易している立場からすれば、非常に攻撃的で先鋭的な作劇であり演出であって、何か分からないが新しいものを観たという嬉しい驚きをもたらしてくれる。とりあえずの敵である「魔女」とは何か、魔法少女の存在と「魔女」の関わりはどんなものなのか、不穏な予感を漂わせつつ、後篇に期待大。