太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男 ★★★

太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男
2011 スコープサイズ 128分
DVD
脚本■西岡琢也、Gregory Marquette、Cellin Gluck
撮影■柴崎幸三 照明■上田なりゆき
美術■中澤克巳 音楽■加古隆
特撮監督■尾上克郎 VFXスーパーバイザー■道木伸隆
監督■平山秀幸

サイパン島で米軍からフォックスと呼ばれて恐れられた日本軍人が、実は平凡で実直で小心な兵士であったことを明かすという趣向は、さすがに西岡琢也の脚本だと思う。こうした素材であれば、やっぱり主人公は英雄でしたよとか、日本の軍隊は立派だったといったまとめ方にしたいのがスポンサーの基本姿勢なのだが、そうはしていないところは脚本家の強固な視点のおき方と、平山秀幸の誠実さだと思う。

■演出的にもお話としても、正直なところスタッフの良いところが十分に出た映画ではないのだが、彼らの拘った部分は辛うじて感じ取ることができる。その意味では、決して凡作ではないと思う。

■ちなみに、監督は2名体制で、アメリカ側は和歌山生まれのチェリン・グラックが監督として撮影し、総監督として平山秀幸がまとめている。こうした大作映画にありがちなこととはいえ、平山監督としては、複数監督体制も含めて、意に満たない部分が少なくなかった模様だ。

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