闇を裂く一発 ★★★

闇を裂く一発
1968 スコープサイズ 85分
日本映画専門チャンネル
脚本■菊島隆三
撮影■上原明 照明■大久保平八
美術■間野重雄 音楽■山下毅雄
監督■村野鉄太郎

■射撃のオリンピック強化選手が男児誘拐事件の捜査に駆り出されるという刑事ドラマで、峰岸徹のデビュー作。なんと脚本を菊島隆三が書いており、手堅いサスペンス作になっている。大映末期なのになぜか配役が豪華で、犯人は佐藤允だし、高橋悦史北村和夫露口茂加藤武下川辰平、今福正雄、樋浦勉等々。
■低予算なのでロケ中心だが、非常に手堅く撮られていて、クライマックスはナイター中継中の球場が舞台になるという豪華さ。舞台は限定されているが、ちゃんとサスペンスになっているから偉い。最後は暗闇での銃撃になるのだが、ここは本当に照明を絞って撮っているようだ。HDマスターの都合か、黒く潰れすぎていると思うが、オリジナルでも頑張って撮っているようだ。
■そうした硬派なサスペンスに加えて、峰岸徹の青春映画としての味わいも盛り込まれているのが異色なところで、山下毅雄の音楽が大きく貢献している。60年代末のムードが濃厚に塗りこめられているのも貴重だな。峰岸徹の初主演とは思えない堂々とした演技にも驚くよ。


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