ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国 ★★★☆

ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国
2010 ヴィスタサイズ 100分
DVD
脚本■アベ ユーイチ
撮影■三栗屋博 照明■松隈信一
美術監督■大澤哲三
音楽■川井憲次 VFXプロデューサー■クワハラマサシ
監督■アベ ユーイチ

■前作がCGによるバーチャルセットの手法に意欲的に取り組んだものの、その映像クオリティが見るに堪えなかったのに比べ、方法論をもう少し穏健な方向に修正し、CGの品質を向上させることとした本作は、意外にも佳作であった。日本の特撮映画を観て久しぶりに感動し、メイキング本が無性に欲しくなった。

■多次元宇宙マルチバースの映像など、CGの効果が抜群で、非常に美しいし、ベリアル帝国の宇宙船団などもハリウッド映画的な手持ち風のキャメラワークも取り入れて、なかなか質が高い。冒頭のミラーナイトの登場からして、アベユーイチはツボを突いてくるし、ジャンファイト!の掛け声でジャンバードがジャンボットに変形するシーンなど、燃えに燃える。今回脚本も手掛けたアベユーイチの大活躍には喝采を送りたい。当然、実質的には特技監督も兼任しており、大車輪の活躍だ。

■音楽が川井憲次というのも盤石の布陣で、川井節をみっちりと聞かせてくれる。映画音楽としては無個性化が激しい近年のハリウッド映画のクオリティを完全に超えている。

■ただ、敢えて難点を述べれば、あまりに安易な、少年ジャンプ的な仲間礼賛主義に毒されていることだろう。ドラマの背骨には「ワンピース」的なドラマツルギーが横たわっており、その毒は日本映画のドラマツルギーを侵す惧れがありはしないか。

■昨年逝去した美術監督大澤哲三の遺作で、最後に献辞のクレジットが登場するのも泣かせる。ミラーマン、ジャンボーグAの特撮パートの美術を担当した氏が両キャラクターのリニューアルにも参加できたことは僥倖であったことだろう。

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