『連合赤軍物語 紅炎』

■「究極のドラマ 実録ヤクザ映画で学ぶ抗争史」の山平重樹が赤軍派と革命左派の成り立ちから連合赤軍結成、総括リンチ、あさま山荘事件を経て自滅に至る道筋を概括した不思議な本だが、概括といっても450ページを超える分量の力作だ。

■何しろ、ヤクザとか右翼のドキュメントをおもに手掛ける著者なので、新左翼の理論的な部分は最小限度の描写に留められ、当時の関係者が読めば幼稚で噴飯ものという反応が容易に想像されるところだが、初心者(?)にとっては関係者の人間関係が実録ヤクザ映画のように分かりやすいという利点がある。

共産主義化をお題目とした山岳ベースでの総括リンチの凄惨な地獄絵図も、この著者らしい淡白な描写で、決して怖いもの見たさといった際物を狙った著作ではないし、森恒夫の獄中での自殺で幕を下ろす構成は(続く)

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