リアル鬼ごっこ  ★★☆

リアル鬼ごっこ
2008 ヴィスタサイズ 98分
朝日放送録画
原作■山田悠介 脚本■柴田一成
撮影■早坂伸 照明■鈴木秀幸
美術■大庭勇人 音楽■岩代太郎
VFXスーパーバイザー■小田一生 
監督■柴田一成

■当然原作は読んでいないし、映画のメインターゲットはティーンエイジャーなので、いい歳のオッサンが観て文句を言う筋合いではないのだが、何故か柄本明が悪の権化を演じるという異様な(?)配役と谷村美月見たさに録画してしまったのだ。

■近頃ジャンル映画でやたらと多用されるパラレルワールドもので、後半は柄本明の演技の質の問題や演出的な見せ方の問題で説得力をなくしてゆくが、鬼ごっこをスピーディーに見える前半は、アクション映画の爽快感があり、ちょっと良い。ステディカムを使用した移動撮影や、若手男優たちの必死の疾走感をうまく切り取ったキャメラワークは褒めて良い。しかも、岩代太郎の劇伴が低予算映画にしては場違いに良質なので、なにか良質な青春映画を観ているような錯覚すらおぼえる。

谷村美月の演出には監督のオクテなスケベ心が微妙に発露しており、病室のシーンで微妙な力加減でだらしない雰囲気を醸し出した美月の口元や、首もとにはある時には首輪が巻かれ、ある時には赤いスカーフが巻かれるというフェティッシュな演出には、燃える。

柄本明が単純なジャンル映画で悪の首魁を演じるというのはかなり珍しいことで、それだけで興味をそそったのだが、結果的にはやはり無理があるよね。側近には品川徹を添えたりして、配役には妙に力が入っているのだが、ビジュアル的には低予算丸出しで、厳しいね。柄本明のような扱いの難しい役者をどんな事情で配役することになったのか、その舞台裏に興味は尽きないが。

■パート2が近々公開されるらしいが、美月は出てないので、食指が動かない。ただ、アクション監督が横山誠なので、アクションシーンは期待できそうだ。
■製作はジェネオンエンタテインメント電通、制作はセディック・インターナショナル。

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