かいじゅうたちのいるところ  ★★★

WHERE THE WILD THINGS ARE
2009 スコープサイズ 101分
ユナイテッドシネマ大津(SC5)

■映像表現としては悪くない。なによりかいじゅうたちのヌイグルミの出来がいいし、後付のCGによる表情のアニメーションは技術的にはほとんど完璧。撮影もいいと思ったら、「ロスト・イン・トランスレーション」のランス・アコードだった。納得。でも、子供向け映画なのに、手持ちキャメラで激しくブレまくるのはどうかと思うぞ。子供向けの映画だからこそ、もっとオーソドックスな絵作りで見せてやりたいところだ。

■でも、ドラマとしては特に秀逸なものではなく、怪獣大国日本で生まれ育った我々としては生ぬるいといわざるを得ない。同じ素材を、例えば市川森一が劇化すれば、あらゆる人間の子供心に突き刺さる傑作になる可能性がある。日本で公開するなら、少年が怪獣島を後にする場面に、こっそりブースカを合成しておけばいいのだ。

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