渇きの街
1997 ヴィスタサイズ 101分
DVD
原作■北方謙三 脚本■神波史男、南木顕生
撮影■田中潤 照明■田村文彦
美術■丸尾知行 音楽■佐藤正治
監督■榎戸耕史
■何故かテレビ東京も出資している有名小説の映像化なのだが、なんだかとても困ったできばえ。やくざをぶち殺した袴田吉彦が三浦友和に拾われ、用心棒に納まるまでの段取りは良い調子で、その後の二人の父子を思わせる関係も良く、敵対組織に拉致された袴田を友和が殴りこんで救出するまでの展開もいいぞいいぞと期待させたのだが、その後の展開がグダグダで全くしまらない。友和が殺される場面を直接見せないのはいい考えかもしれないが、それにしてももう少し納得できる締めくくりができそうなものなのに。
■脚本には神波史男が参加しているのにアクション映画の骨組みの基本ができていないというのはどうしたことか。三浦友和の金融やくざぶりが凄く板について良い味を見せるし貫禄も十分だし、榎戸耕史の硬派な演出も悪くないのだが、脚本がこれでは如何ともしがたい。暴力担当のシーザー武士もワサビの効いた悪役ぶりで頼もしい限りなんだが。きっと舞台裏で何かあったに違いないと想像させるグダグダぶりだ。何があったの？
