モンスターVSエイリアン ★★★☆

モンスターVSエイリアン (字幕版)

モンスターVSエイリアン (字幕版)

  • リーズ ウィザースプーン
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MONSTERS VS. ALIENS
2009 スコープサイズ 94分
MOVIX京都(SC8)

■前半はモンスター映画、怪獣映画に対する愛が微笑ましく、ほとんど文句無しの傑作なのだが、後半のエイリアンがらみのお話に工夫が足りず、失速した。

■とにかく、冒頭から快調に展開し、あっというまにヒロインのスーザンは巨大化して巨大女ジャイノミカ(モンスターネーム)に変身してしまう。ここからゴールデンゲートブリッジでの巨大ロボットとのサスペンス溢れる大格闘までは、怪獣映画好きにはニヤニヤしながら堪能できる名場面の連続だ。サンフランシスコでのジャイノミカと巨大ロボットの追っかけは、まるでウルトラマンで、ビル街やゴールデンゲートブリッジまでミニチュア感をCGで表現しようとするあたりのこだわりには賞賛を惜しまないよ。東京に出現して捕獲されたムシザウルスの巨大感も素晴らしいし、ボケ役のボブはいかにもなキャラクターだが、素直に可笑しいよ。

■しかし、後半に侵略者の正体が明らかになると、そのキャラクターとエピソードに工夫が足りず、クライマックスのアクションもCGアニメにありがちな物量勝負風になってしまう。ドラマ的にはヒロインの結婚寸前の娘がモンスターたちとの出逢いと共闘を経て、自分にしかできないことを知り、自分の生き方を、自分の価値観と信念によって選択するという、非常に真面目なテーマ設定がされており、一種のスクリューボール・コメディとして構成されているのが興味深い。ドラマ的には子供向けではありません。巨大化したスーザンのコスプレ風味も、大人目線の倒錯ぶりだ。

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