仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE ★★

仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE
2006 ヴィスタサイズ 66分
DVD
脚本■米村正二
撮影■いのくままさお 照明■斗沢秀
美術■大嶋修一 音楽■配島邦明
特撮監督■佛田 洋 アクション監督■宮崎 剛
監督■石田秀範


 7年前に謎の巨大隕石の衝突で海を失った地球。隕石から出現したワームの侵攻に対してZECTを組織したが、対抗組織ネオZECTの出現で内戦状態となり、双方のライダーシステムの間で死闘を繰り広げていた・・・

 平成ライダーシリーズの劇場版は「仮面ライダーアギト PROJECT G4」以降、キャラクターものとしてもアクション映画としても案外水準の高い出来栄えを示して、東映秋興行の定番としてすっかり定着していたのだが、監督が田崎竜太から石田秀範に交代してから、どうも不調のようだ。本作も物語としても魅力に乏しいうえに、アクションや特撮の見せ場が予算的制約で低レベルに終始し、明らかに駄作というしかない。田崎竜太がいかに東映の伝統を正しく受け継いでいたかを思い知らされた。石田秀範はテレビシリーズに東映ばなれした斬新かつ繊細な作風で新風を吹き込んだが、どうも映画においてはその持ち味を正しく発揮できていないようだ。根本的にアクション映画の人ではないのだろう。

 今回の見せ場は、軌道エレベータで宇宙空間に飛び出したライダーたちの戦いを特撮研究所が如何に描き出すかという部分だが、結果的にはあまりにも安っぽく、佛田洋も名前を出すのが恥ずかしかったに違いないしょぼい出来栄え。ミニチュア撮影も、CGもテレビレベルの仕事で、本当に佛田洋が監督したのか正直、疑問だ。名義だけ貸したのではないか。

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