ハッピー・アクシデント★★★☆

HAPPY ACCIDENTS
1999 ヴィスタサイズ 115分
BS2録画


 恋愛下手なヒロイン(マリサ・トメイ)は、偶然知り合った個性的な男(ビンセント・ドノフリオ)と恋に落ちるが、徐々に男の奇妙な振る舞いに気づいていく。問いつめられた男は自分は未来から来たタイムトラベラーだと名乗って、彼女を説得しようとするが、恋愛を壊したくない彼女は半信半疑でゲームに付き合うことにする。調子に乗る男の嘘の証拠をつかんだ彼女は・・・
 マリサ・トメイ主演のブラッド・アンダーソン監督作品。なぜか日本未公開だが、実によくできた小品佳作。SFなのか、男の妄想なのか、最後の最後まで揺れ続ける脚本が見事で、一枚の写真を使ったオチも綺麗に決まる。
 インディペンデントな低予算映画だが、主演の2人の演技合戦で最後までグイグイと観客を引き込んでゆく正攻法の劇映画でもある。
 ビンセント・ドノフリオが、胡散臭さと、地に足がついていない闊達さと危うさをよく体現して上手いし、マリサ・トメイのチャーミングさといったら堪らない。奇妙な恋人にかき回されるリアクションの素直な芝居が彼女のおおきな魅力になっている。時間を折り曲げるタイムリープの原理を彼女の素足を折り曲げて説明するエッチなシーンは秀逸なアイディアで、敏感に感じてしまう彼女の表情の可愛いことといったら!
 ミニシアター系にピッタリな良品なのに、日本未公開というのはつくづく謎だ。

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