【18禁の世界】正直、残念作だった『性処女 ひと夏の経験』

基本情報

性処女 ひと夏の経験 ★★
1976 スコープサイズ 70分 @アマプラ
企画:奥村幸士 脚本:中島丈博 撮影:姫田真佐久 照明:小林秀之 美術:山本陽一 音楽:真鍋理一郎 監督:蔵原惟二

感想

■蝶マニアの少年伸之が、森の中で精神病院から脱走した女と出会う話と、蝶マニアのおじさん昌彦が失敗した心中をやり直す(ことになる)話を、同じ女で接合した、相当に捻った幻想的な青春映画。ルリ子という幻想的な女を東てる美が演じる。若いよね、当然ながら。

■ただ、中島丈博の耽美派としての狙いが十分に映像化できなかった残念作、というのが個人的感想。しかも中島丈博の個人的な嗜好が全面展開で、かなり趣味の世界にも感じる。主人公の森の中でのマスターベーション(ホントに好きだよね)が重要なモチーフになるし、メンターの片足の男、昌彦は何のドラマ的な必然性もなく主人公に抱きつく。無意味なBL風味、それ要る?中島丈博はロマポでは、自分の性的嗜好を隠そうとはしないのだった。というか、かなり無理矢理に押し出す。

■相当に飛躍した世界観で、シュールレアリスムの手法で幻想的なモチーフ構築がなされているが、演出的に対応しきれていないので、なかなか腑に落ちない映画。日活系の監督は、伝統的にそういうの得意じゃないのだ。謎の女、ルリ子の出入りの扱いも、もっとスマートに見せて欲しいところだ。そもそも狂人なのか、蝶の化身なのか、シンボルとしての存在感が演出的に消化されていない。もっと良くなるはずだけどなあ。

■しかも、70年代のロマポは映像的に貧乏くさくてキツイなあ、80年代のロマポは綺麗だったのに・・・撮影、かなり酷いなあ。と思っていると・・・エンドクレジットで姫田真佐久だったので、絶句した。しかも、音楽は真鍋理一郎だし----なんか、力作扱い?姫田キャメラマンは、基本リアリズムのひとなので、幻想的な作風は苦手だと思う。これ80年代に作っていれば、もっとシナリオの意図が画になったと思う。新世代の監督たちだったら、それが自然にできたはず。中原俊、金子修介、黒沢直輔、加藤文彦とかだったら、もっと垢抜けたファンタジーになったはずだがなあ。

■オリジナルの脚本を読んでみたいなあ。だいぶん、違うんじゃなかろうか。


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