【映画脚本レビュー】かなり本格的な怪奇幻想耽美ロマン!中島丈博作『闇に浮かぶ白い肌』

西村昭五郎が撮った日活ロマンポルノの初期作だけど、怪談週間の番組として、現代怪談のオーダーがあって、中島丈博が書いたもの。『ドリアン・グレイの肖像』をモチーフとして、怪談は理詰めではつまらないという理念で書かれたけど、これかなり上出来。意外にも真っ当な怪奇幻想ロマンになっている。どうも、中島丈博というひと、リアリズムよりもこうしたロマンの方が性に合っているらしい。だから、リアリズムの日活青春映画ではなく、日活ロマンポルノ以降の方が生き生きしている。資質があっている。意外と変な人なのだ。東海テレビでアクの強い昼メロでヒットを生むのも、そんな資質があったゆえだと思う。

■兄と盲目の妹がいて、義姉が突然失踪するが、やがて帰ってくると、人格が一変している。一時的な記憶喪失だったらしいが、やがて写真の中の彼女の顔が醜く崩れてゆく。。。

■整形外科医、莫大な遺産、そして秘められた禁忌の恋と、ゴシックな道具立ては万全だし、ロマンポルノとしての見せ場も万全(まあ強引だけど)で、実によくできている。オリジナリティもかなり高いと思う。あまり、似た映画が思いつかないし、ラストはちょっと『盲獣』みたいだ。

■ただ、日活には怪奇映画の伝統がなく、スタッフも技巧的にうまくないので、完成した映画自体は、演出的にあまり期待できない気はする。これば東映とか東宝とか大映なら、映像自体がガッチリ濃厚なゴシックロマンになるところだけど。それこそ佐藤肇が撮ればいいのに。

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