オレ被害妄想?はくじん、こわい!『ゲット・アウト』

ゲット・アウト [Blu-ray]

ゲット・アウト [Blu-ray]

  • 発売日: 2018/11/07
  • メディア: Blu-ray

基本情報

Get Out ★★★☆
2016 スコープサイズ 103分 @アマプラ

感想

■本国アメリカでも大ヒットを記録し、黒人差別問題をスリラーに仕立てて見せた気の利いたお話で玄人筋にも好評だった本作、いまさらながら、やっと観ましたよ。製作はおなじみの好漢ジェイソン・ブラム率いるブラムハウスなので、堂々と低予算映画です!
■黒人カメラマンの主人公は白人女性の恋人に案内された実家の父母に、そして村人たちの素振りにただならぬ違和感を感じ始めるが、その違和感の正体が明らかになったとき。。。
■というシンプルなお話で、疑惑が交錯してサスペンスが積み上がっていく過程はさすがにお上手。ブラムハウス映画の定石を踏まえて、恋人の実家という「家」に舞台を限定して、恋人の母親が使う催眠術とか、家族の友達たちのパーティーのそこはかとないカルト感がザラザラした違和感を増してゆく。
■陰謀の種明かしは実にあっけなくて、ホントならもう少し疑似科学的な、あるいはオカルト的な解説の部分に怪奇映画的ロマンがあるわけでは、そこは立ち入るとオタクっぽくなるから、あくまでさらっと流す。ちょっと残念だけどね。個人的にはSF方向に回収してほしかった気がするが。アイディア自体も特に新しくはないのだが、正攻法のサスペンスの構築がでいているからちゃんと面白い。
■そして終盤はSFどころか完全に活劇に転じて、サスペンスの効いた小粋な活劇映画になるから、それはそれでできが良くて立派。予想通り、ラストは本来の構想とは異なるものだが、お気楽感が救いになる。ホントにそれでいいのかという違和感も残るのだが。
■ブラムハウス映画は基本的に「家」を舞台とした低予算ホラーの枠組みに、積極的に社会的な問題意識を取り込んで、話題性と興行価値を付加してきたのだが、本作はその好見本いえるだろう。

参考

『ジェサベル』は地味ながら、ブラムハウス映画の結構な秀作ですよ。『スケルトン・キー』はブラムハウス映画ではなく、大作メジャー映画ですが、いまや古典的な傑作ですね。このジャンルの映画のお手本と言って過言ではないでしょう。
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