■特に、第一部は、あまりこれまで言及されなかったけど、実はかなりの力作で、傑作だった。明らかに、主役のトッペイよりも、悪の天才ロックに力点があったのも異色だった。演じる佐藤博の独特の個性が、好き嫌いを分ける気はするけど、あれはユニークだったなあ。癖になる。最終回で久々に登場すると、それだけでなんだかぐっと来るなあ。その割に原人に退化して滅びるという、愛のない結末。
■第一部で虫プロは資金ショートしたので、第二部は人間プロ(長門裕之が設立)という独立プロに制作母体が移行して、スタッフも完全に入れ替わった。監督は京都の時代劇畑の人らしく、とにかくロックが世間の目を欺くために整形手術でキャバレーの用心棒みたいな角刈りの小悪党に変身するのは唖然とした。これまで、入念に日本制服の知的な野望を実行してきた理性派の大物だったのに、この変貌ぶりには絶句。
■熱海博士の発明した、人間を原人に変えるマッドPAに対して、別府博士がバンパイヤを完全人間(!)に変えるヒューマンSを発明し、両陣営の葛藤が描かれるけど、基本的にはマッドPAで原人に変えられたレスラーとか空手家とトッペイたちが戦うという単純活劇にモードチェンジ。単純明快な活劇ドラマに変化した。それにしても、最後まで律儀に付き合った戸浦六宏はどんな気持ちで?創造社仲間の渡辺文雄は早々と死亡退場したのにね!
■とにかく、人間を原人に退化させるという趣向が、一ミリも面白くないので、第二部はひたすら退屈。第一部では相当に野蛮だっった原人も、なぜか言葉を喋ったりするし、ちゃんと洋服着てるし、バンパイヤも任意で変身できるようにご都合主義路線が敷かれ、まあ基本チャンバラ時代劇のスタイルですね。これが20話から延々と7話続く。第一部のあの高揚感と達成感は、いずこへ?テーマ性もなにも、霧散しているし、バンパイヤが完全人間になれれば、それでいいの?寄らば大樹の陰?マイノリティはマジョリティに変化できるなら、そうしてマイノリティを消滅させたほうが現実的に平和で幸福じゃないとか言ってませんか?(言ってます)そもそも、そんなテーマだったっけ?第一部のスタッフが泣くぞ。特に松田寛夫がな!
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