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■虫プロ商事製作の特撮ドラマ。エリアル合成技術を贅沢に使って、実写とアニメの合成処理をふんだんに盛り込んだ、なかなか贅沢なドラマ。とはいえ、さすがに製作費を考えて、モノクロで制作したけど、パイロット版はカラーで制作されたそう。
■バンパイヤとは、吸血鬼ではなくて、動物に変身できる人間のこと。狼に変身すれば狼男、コウモリに変身すれば吸血鬼、猫だと化け猫、といった具合で、包括的な血族のことをいう。さすが、手塚治虫。バンパイヤ族のトッペイは熱海博士殺害をネタに、悪の天才ロック(佐藤博)に操られる。一方で、バンパイヤ委員会は反人間を掲げるバンパイヤ革命のときを探っていた。。。
■ちなみにシリーズ立ち上げのチーフ助監督は菅孝行で、反天皇制を主張する物騒な(愉快な?)思想家として有名。らしい。さすがに世代が違うので知らんけど。東大卒で東映京都で助監督をやっていて、シナリオも書けまっせ!という器用貧乏なタイプか?いや、本当に器用なら中島貞夫のようになったかもしれない。組合活動で先鋭化したら子会社に左遷された!(当然だけど)ので、福田善之に呼ばれたのを好機に虫プロ商事で東京に進出したらしい。世が世ならだね、真船禎に呼ばれて、円谷プロでウルトラシリーズだって撮っていたかもしれない人脈なのだ。いや、思想家として売れなければ、あり得たと思う。山田健の助監督だったりするので、Pプロでザボーガーとか撮ったかもしれないよ。
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■5話「老バンパイヤの最后」(脚本:藤波敏郎 監督:まふねてい)の後半で唐突にトッペイの父親が、探してもいないのに偶然登場するのは相当なご都合主義だけど、わしはもう動物として余生をのんびり過ごしたいんじゃと言い捨てるあたりが秀逸。しかも、警官隊に包囲されて、一瞬人間の姿を見せながら死んでゆくクライマックスの演出は、合成も秀逸だし、さすがの名場面。しかも左卜全が大真面目に演じる。その助手としてルリ子(嘉手納清美)も登場するし、一気に華やかに。
■わざわざ秋芳洞で大規模ロケしたバンパイヤ委員会編もなかなかの力作で、バンパイヤ委員会はバンパイヤ革命を叫び、人間たちに復讐しようと画策するが、人間を信頼するトッペイたちは反対すると、仲間から追われることに。バンパイヤ委員会のメンバーは、地元山口のアマチュア劇団の人が演じます。
■この第8話「秘密会議脱出」(脚本:山浦弘靖、久谷新 監督:山田健、まふねてい)はロケ撮影にエリアル合成で空や洞穴の情景を合成しまくっていて、異様に手間がかかっている。16ミリのモノクロ撮影だから比較的安くできるんだろうけど、それにしても、合成カットの大盤振る舞いで、タガが外れている。生合成ではないので、画質は劣化するけど、単純な切り合わせ合成ではなく、アニメと人間が立体的に絡むから、輪郭を丁寧にトレースする必要があるし、えらい凝っているのだ。このあたりはアニメ畑の技術監督:清水達正が執念を燃やしたのだろうか。しかも、洞穴から脱出できたと思ったら、謎の原人(!)に拉致されるという虚を突く展開。
■そもそも、この「バンパイヤ」、第一部のクライマックスを、あろうことか松田寛夫が監督してますからね。あの、東映の大物脚本家。もともとは東映の助監督だったので、現場経験はあるけど、監督作はこれだけ。菅孝行が呼んできたんじゃないですか?それ以外に人脈が繋がらない。いったいどんな顔して演出していたのか?金はないけど、結構自由におもろいことできるから、おいでよ!と呼んだのか?
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