■「海の彼方に」はオカルト懐疑派のスカリーのほうが霊能者に取り込まれるところに斬新さがあり、モルダーと立場が逆転する。明らかに『羊たちの沈黙』を下敷きにしている。端的にいって、霊能者の描き方が相当にご都合主義で、演じる方は大変だと思う。なんだかわからないけど、任意のタイミングで突然あっち側と接続してしまうという、謎の人間を演じるはめになるのだから。
■作者も脚本書いてて、さすがに無理があるなあ!と感じていたはずだ。あとは、役者の芝居でなんとか成立させてくれと、投げたものだろう。しょうじき、書いた本人と演出家が一番心配だったと思うよ。力作だけど、根本的に無理がある。
■「性を曲げるもの」は、『刑事ジョン・ブック』が下敷きで、特異な宗教コミュニティそのものが、最終的にUFOで地球を去るというお話だけど、かなり掴み所がない。一方で映像表現としての陰鬱な世界観のニュアンスが絶妙で、カナダ撮影の寒々とした雨の情景が効果抜群。でも、お話のロジックは理解しがたい。
■「再生」は、謎の科学者の実験で再生した凶悪犯がモルダーに復讐を誓う話で、基本的には復讐活劇だけど、科学者の悪行が疑似SF的に楽しい。学会から追放され、南アフリカや南米で秘密裏に継続した若返りの秘法の研究。米国政府はそれを秘密裏に入手しようとしていた。試しに右手を切断して再生するエピソードは、まさに『フランケンシュタイン対地底怪獣』ですね。絶対、観てるよね。
maricozy.hatenablog.jp
■制作現場では記録映像の場面で、実際の早老症の少女が起用されたようで、なかなか機微だなあ。
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