「ヒッチコック劇場 第四集②」

ヒッチコック劇場」の1時間版の「ヒッチコックアワー」からヒッチ本人の監督作品が収録されたDVDを買ってみた。

  • 「脱税夫人」・・・コミカルな作品で、ヘイゼル・コート演じる有閑未亡人のセレブな悪女ぶりがおもしろいのだが、オチは陳腐。
  • 「悪徳の町」・・・ウォルター・マッソーの演じる悪徳警官たちに翻弄される様がリアルな恐さを醸し出すが、オチがチャチで興ざめ。
  • 「指」・・・リメイク版を先に見てしまったのが悪かったが、今ひとつサスペンスが冴えない印象。ライターの賭けも7回目くらいで中断されてしまうし、ラストの残酷さもリメイク版のストレートさのほうが際立つ。リメイク版は超豪華な配役も魅力だしね。
  • 「ひき逃げを見た」・・・ヘンリー・セシルの原作をヘンリー・スレッサーが脚本化した文句無しの傑作。ヘンリー・スレッサーの軽妙なストーリーテリングヒッチコックの演出がうまくマッチしている。このコンビの作品をもっと見たかった。法廷で証言する事故の証人たちのキャラクター描写が際立っているし、ラストのオチも素晴らしい。ヒッチコックの吹替えが熊倉一雄っではなく、なんと三島雅夫というのがなんともアダルトだが、ユーモアが足りないのが残念。
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