『警察庁長官を撃った男』

オウム真理教の仕業とされた警察庁長官狙撃事件の真犯人は別にいたという驚きのドキュメント。最終的に真犯人が特定されるわけではないが、実に意外な老人が真犯人あるいは幇助犯として浮上する。というか、別件で服役中に告白したというのだ。そして、秘密の暴露といえるさまざまな状況証拠を語りだす。

■この老人が、本当にそんな人間が日本に実在するのか、というフィクション的な存在。東大中退で、特別義勇隊なる非公然組織を標榜する射撃の名手という大藪春彦の読みすぎかといううそ臭い経歴。しかし、長官の射撃に使用された非常に特殊な銃器と銃弾との間にかなり確実な結びつきが確認される。事実は小説よりも奇なり。

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