スターダスト ★★★

STARDUST
2007 スコープサイズ 128分
DVD

スターダスト スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
■多分、原作はもっと面白いのだろうが、映画に、しかも実写で映像化されると、違和感が勝ちすぎて、なかなか素直には楽しめない。お話じたいは、もうどうでもいいやという程度のものだが、配役がなぜか豪華で、ミシェル・ファイファーが捨て身の魔女役で、ほとんど出ずっぱり。空の海賊役ではデ・ニーロ親爺が怪演を見せて、中盤を盛り上げてくれるが、ミシェル・ファイファーほど出番が無いのは勿体無い。
■なにしろクレア・デインズは宇宙から堕ちてきた星の役ですからね。幸せな気分になると、豪華な金髪が光り輝きはじめるというストレートな描写が可笑しい。デ・ニーロだって、強面の海賊のキャプテンと思いきや、意外な、意外すぎる素顔が明らかになって爆笑を誘う。誘うが、あまり高級なアイディアではない。
■VFXは、なんとダブル・ネガティブで、持ち前の地味でリアルな演出効果とは正反対のファンタジー仕様で、正直なところちっともいいとは思えない。演出家の嗜好としても、スペクタクルなVFXを見せ場とするよりも、亡霊王子たちの突っ込みを交ええたコメディ演出のほうに力点が置かれているようだ。ただ、クライマックスの大アクションはなかなか秀逸で、ミシェル・ファイファーが王子の死体を操って剣戟を演じる場面は、生きた人間ではありえない振付で奇想天外なチャンバラを見せてくれる。ここはちょっとしたアイディア賞だ。

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